なんとなく不安でがん保険にはいっているけど本当に必要なの?
がんにかかったら家族が生活できなくなるんじゃないか?
がん家系だから保険に入っていたほうが安心?
いくら貯金があれば、保険なしでも備えられる?
そんなお悩みに答えます。
記事の内容
- がん治療に対する知識、費用
- 病気に備える公的保障
- がん家系の保険以外の備え方
- 保険に入らない場合の必要貯金額
保険はよくわからないから、なんとなく不安だから、みんな入っているからという理由でなんとなく加入している人も多いのではないでしょうか。
(わが家もそうでした。)
まずはがん治療にいくらかかるのかを知り、それに対して保険で備えるのか貯金で備えるのかを考えてみましょう。
がん治療に対する知識
がんにかかる医療費
入院日数 | 健康保険 3割負担(円) |
|
胃がん | 18.8 | 292,518 |
結腸がん | 15.4 | 248,457 |
直腸がん | 18.7 | 336,489 |
肺がん | 14.1 | 227,571 |
乳がん | 12.9 | 229,449 |
退院後も抗がん剤治療など数ヶ月に渡って通院する場合があります。
平均で約50万円程度~100万円かかる可能性があります。
医療費以外にかかるもの
差額ベット代(1日5,000円程度)、食事(1食260円)、かつら、リハビリ代など。
※差額ベッド代は、患者本人が同意して使用しない限り病院側は請求することができません。
先進医療は必要?
先進医療はお金がかかるため、そこも保障されたがん保険に入ったほうがいいとよく聞きます。
しかし病状により先進医療が行われる場合と行われない場合があります。保険に加入しているからといって必ず受けられるものではないということは理解しておきましょう。
保障は一生涯が安心?
保障は一生涯が安心なイメージがありますが実際はどうでしょうか?
医療技術は日々進化しています。
夫が20代に加入したがん保険を30代で見直したところ、保障内容が現在のニーズと合っていないことがわかりました。
確かに年齢を重ねるごとにがんの発症率は高まっていますが、逆に貯金も貯まっていることを考えれば保険はその時代にあったものに必要な時期だけ入るという考え方もできます。
貯金が少ない、こどもが小さいなど、がんになったら家計負担が大きい時期にのみ加入するのも保険料を節約するひとつの方法です。
がんに備える公的保障
高額療養費制度
先ほどの治療費をみて「高い!払えない」と思った方、安心してください。
日本には高額療養費制度があり、1ヶ月の自己負担上限は9万円程度で済みます。
(差額ベット内などは別途となります。)
治療費は窓口で自己負担金額の全額を支払い、あとから還付してもらうパターンもありますが、事前に加入する健康保険組合から「認定証」の交付を受けることで窓口での支払いを最初から自己負担の上限までに抑えることもできます。
高額療養費に該当する月が4ヶ月目からは自己負担額が月4万円代になります。
傷病手当
会社員で病気、ケガなどでの欠勤が3日以上続いた場合、4日目から標準報酬日額の2/3相当額が1年半支給される制度があります。
いきなり生活に困ることなく治療に専念することができます。
介護保険
40歳以上で、がんの病状が進むことで生活に支障が出て介護が必要となった場合は介護保険が利用できる場合があります。
自己負担は1割ですみます。
がん家系だから保険は必要?
わが家の結論はがん家系でもがん保険は不要です。
夫からは、「がん家系だし保険は必要!」と言われて、結婚してから7年間かけ続けてきました。
確かに夫の祖父も父親もガンにかかった経緯があります。
(どちらも早期発見のため手術で回復しました。)
遺伝的なガンは全体の約5%で、残りはほぼ生活習慣が原因という説もあります。
しかし、ものすごく健康に気を使っていてもがんにかかる人もいれば不摂生なのに何の問題もない人もいるのも事実。
「タバコを我慢するくらいなら好きなだけ吸って、がんにかかったらそういう運命として受け入れる。」という人もいます。
そういう割り切りができない人は食事や運動、喫煙、飲酒の習慣、ストレスなど、できるだけ日々の生活で病気の予防につとめることからはじめてみてはいかがでしょうか。
貯金はいくらあれば安心?
がん保険に加入する代わりに貯金で備えてみた場合を考えてみましょう。
わが家はがん保険を解約し、医療費と差額ベッド代などを考えて300万程度を貯金として備えておくことにしました。
300万円は用意できなくても最低100万円程度あればしばらくは治療に専念できるのではないでしょうか。
もちろん「がん保険に入っていて助かった」「保険に入っていたから安心して治療に専念できた」という声もあるため「保険料は無駄だから解約しましょう!」とは言えませんが、下記の項目を理解して保険が必要か不要かを判断することが重要です。
- 必要額
- 必要期間
- 公的保障
一度、情報を整理して数字で理解してみましょう。
保険は条件に該当しなければ保険金は出ません。
保険以外にも普段からの病気予防と何にでも使える貯金、公的保障で備えるという考え方もあるということも知っておきましょう。
まとめ
保険は住宅に続く、人生で2番目に高い買い物と言われています。
家計に余裕があれば手厚い保険に入るのもいいとは思いますが、一般家庭の家計内訳を見ると保険料の負担が高すぎるために「家計に余裕がない」「家計が苦しい」というコメントを多く見かけます。
全て保険で備えるのは不可能だということを理解し、必要なもの、不要なものを考えていく必要があります。